添田町で絶滅オオカミ“野放し”で鳥獣被害防止を検討

公共・交通機関
2016年10月28日 金曜日

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福岡県田川郡添田町では、日本では絶滅したオオカミを輸入し山林に放ち、畑を荒らす鹿やいのししの駆除ができないかを考えるオオカミフォーラムが開かれました。

添田町の農家の苦悩

現在、添田町は鹿や猪に畑を荒らされる食害に悩まされています。農作物を荒らされないように柵で囲うなど対策は行われておりますが、被害を食い止めきれていないのが現状です。被害にあった農家の中には辞めてしまおうと考える人がでているほど被害は深刻なのです。そんな中で、被害に悩む住民グループがオオカミフォーラムを企画されたようです。

オオカミフォーラム

オオカミフォーラムはアメリカ・ドイツから四人のオオカミの専門家を招き、海外のオオカミ研究及びオオカミを巡る人間社会の状況を報告し、日本の自然界のシカ増加と森林生態系の劣化という現状と対比して日本へのオオカミ再導入を考察しようという内容です。

オオカミ導入に賛否両論

私たちはオオカミに対して、赤ずきんちゃんなどの童話から人を襲う生き物として認識しています。実際にはオオカミはめったに人を襲わないし、事実そのような記録はほとんどないそうです。鹿や猪などのオオカミの餌となる生き物がいる間は家畜などを襲うこともないようです。日本ではすでに絶滅していますが、鹿や猪は天敵がいなくなったことで増えすぎてしまいました。オオカミの再導入で生態系を取り戻そうとしています。アメリカでは絶滅したオオカミを復活させたことにより、崩れた生態系を修復した実例があります。

一方でオオカミを放つことに反対する住民もたくさんいます。猟友会の方々も反対のようです。オオカミが臆病な生き物だとしても、野生動物ですので、追い込まれていれば人を襲うこともあるわけです。オオカミが人里に降りてこなくても、人が山林に入ると万が一襲われる危険性が出てきます。また、オオカミの数や住処を管理できるのかなどの課題もあります。

オオカミを放てるの?

そもそも添田町の決定だけで、日本では絶滅してしまったオオカミを輸入し山林に放つことはできるでしょうか。現状では「できない」というのが結論のようです。オオカミはワシントン条約で取引が禁止されているため、日本に輸入することは認めらていません。とはいえ、アメリカやドイツでの改善の実例があり、被害にあう農家がいる以上、オオカミ導入議論に余地は残っているといえます。

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