東長寺は、福岡市博多区にある真言宗の寺院で、九州における真言宗の拠点として長い歴史を持つ重要な寺院です。その創建は大同元年（806年）、弘法大師（空海）が唐から帰国後に建てた伽藍に始まるとされ、江戸時代初期には福岡藩主・黒田忠之によって再建されました。

主な見どころと文化財

• 本堂：本尊には弘法大師像が祀られており、秘仏として特別な日にのみ公開されます。
• 千手観音像：藤原時代に作られた国の重要文化財で、その精巧な造形は歴史的価値が高く、訪問者を魅了します。
• 六角堂：輪蔵を備えた珍しい建築様式の仏殿で、市指定の文化財建造物となっています。
• 福岡大仏：1992年に完成した高さ10.8mの木造坐像は、木造仏像として日本最大級の大きさを誇り、その圧倒的な存在感が特徴です。
• 五重塔：2011年に完成した総檜造りの美しい五重塔で、空海が持ち帰ったとされる仏舎利が納められています。

歴史と文化に触れる体験

東長寺は単に歴史的な建造物があるだけでなく、黒田家の墓所もあり、福岡藩の歴史と深く関わっています。また、博多祇園山笠の追い山コースに含まれており、山笠が寺前を通る際の伝統的な光景は、地元の文化を肌で感じることができる特別な瞬間です。

特に人気の「胎内巡り」は、大仏殿内で行われるもので、暗闇の中を歩くことで死と再生を象徴する神秘的な体験ができます。この巡りは、心を静めるパワースポットとしても多くの参拝者に親しまれています。

観光情報

• 拝観時間：9:00〜17:00（大仏殿は16:45まで）
• アクセス：福岡市営地下鉄「祇園駅」から徒歩1分と、アクセスが非常に便利です。
• イベント：毎年2月の節分祭は室町時代からの伝統行事で、多くの参拝者が訪れます。また、秋には博多ライトアップウォークの一環として、寺が幻想的に照らされる風景が楽しめます。

東長寺は、歴史的価値だけでなく、現代の文化や行事とも密接に結びついた寺院です。博多の伝統や歴史に触れつつ、現代的な観光も楽しめる貴重なスポットとして、訪問する価値があります。