福岡県公立小学校のエアコン設置状況を考える
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記録的な猛暑が続く全国各地、ここ福岡でも久留米市では観測史上最高を記録しました。
そこで今回は福岡県の公立小学校や中学校などのエアコンの設置状況を見ていきましょう。
100%設置は東京都だけ?あまりに悲惨な地方や田舎の現状
それでは全国の公立小中学校におけるエアコン設置状況を見る前に、幼稚園や高校の状況を確認しましょう。
明らかに個人の判断能力に欠ける幼稚園児や、精神力も体も大人に近づいている高校でのエアコン設置状況は全国公立小中学校を見ていく上で、一つの指標に成るでしょう。
平成26年調査 | 平成22年調査(前回) | |
---|---|---|
幼稚園 | 41.3% | 24.9% |
高校 | 43.4% | 36.7% |
特別支援学校 | 67.5% | 59.1% |
幼稚園・高校ともに50%を下回っています。
高校はともかくというのは語弊がありますが、幼稚園においてエアコンの設置が半数に満たないなんて……。
そんな幼稚園にお子さんを預けようなんて思えませんよね?
後述しますが、「だから夏休みがあるんだよ」なんて乱暴な議論は聞いてられません。
それでは、全国公立小中学校の状況ですが、全国普通教室・特別教室の冷房設備は、821,693室のうち、245,937室となっています。
その割合はなんと約30%という低いものです。
私たちの暮らす福岡県では22.6%と、全国の平均をさらに下回という驚きの結果です。
平成26年調査 | 平成22年調査(前回) | |
---|---|---|
福岡県 | 22.6% | 15.7% |
佐賀県 | 22.5% | 14.8% |
長崎県 | 15.2% | 12.0% |
熊本県 | 23.0% | 14.1% |
大分県 | 17.2% | 10.3% |
宮崎県 | 23.5% | 19.4% |
鹿児島県 | 28.3% | 15.3% |
沖縄県 | 65.0% | 61.6% |
この九州の数字を個人的な見解で言わせていただくと、沖縄は当然高い数値だろうと思います。
鹿児島県が他県よりも多少数値が高いのは桜島からなる火山灰の影響ではないでしょうか?
私も経験がありますが、夏になると火山灰は市内の方角に飛ばされてくることが多く、目もあけられないほどです。
普通に考えたら夏に教室の窓を開放していたら、教室中に火山灰が降り積もることになりますから・・・・。
それにしても福岡県よりも2%高いだけですからね。
全国公立小中学校の現状は悲惨なものと言えるでしょう。
全国トップのエアコン設置率はやはり東京都で、その値は81・3%。
東京都でも100%設置に至っていない現状に驚くばかりです。
子どもの時期には我慢が必要!なんてふざけた話が現実に?
最近はニュースなどでも盛んに聞かれる言葉があります。
「命の危険にかかわる暑さです。」と。
まさにその通りだと思いますが、エアコン設置に関して大きな影響力を持つ方々の中には違う考えの人も居られるようです。
全国公立小中学校のエアコン設置の妨げとなっている原因の一つに“子どもには暑さを我慢させることが必要”といった精神論が根強くあるともいわれます。
「えっ、本気で言ってます?」と言いたくもなりますが実際に熱中症対策などから小中学校へのエアコン設置を求めた提案をとある市議会が不採択とした際には信じられない発言が聞かれました。
「エアコンを設置して体調を崩したこともある。環境への適応能力をつけるには、ある程度、耐える能力を鍛えることも必要だ」
「家でも学校でも冷房の中では、子どもの身体機能も弱まる」
いずれも首長や、国会議員の公のコメントです。
「どうぞ、どうぞあなたは一生エアコンなしで生活してください」と私は言いたい。
一昔前に、運動の際に水分補給は体に悪い!と大間違いな認識持っていたあの頃となんら変わっていないようです・・・・・。
エアコン設置対策のまとめ
ここまで全国公立小中学校のエアコン設置の現状を見てまいりました。
それでは何故エアコンの設置は進まないのでしょう?
根性・精神論を振りかざす政治家がジャマをしているから?
いえ、違いますね。
あくまでそれはたてまえです。
エアコン設置の妨げとなっている本当の原因はお金です。
学校一校にエアコンを完備するのに必要とされる予算は1~3億と言われています。
各自治体単独ではとてもエアコン設置の予算を捻出することは出来ないため、費用の大半は国に頼るしかありません。
先ほど沖縄・鹿児島県でのエアコン設置率が高い個人的な見解を述べましたが、沖縄県が突出している一番の要因は米軍ではないでしょうか?
私が学生時代を過ごした田舎町にも米軍の戦闘機が爆音を上げて飛行する築城飛行場がありました。
その為防音の窓などの対策が取られていました。
普通に考えて、戦闘機が飛び交う中で窓なんて開けていたら先生の話し声も聞こえてきませんからね。
エアコン設置の妨げがお金ということなら、今後益々その格差は広がるでしょうね。
近く東京都はエアコン設置率100%は間違いないでしょうし、予算の少ない田舎町などではこの先の展望は明るくありません。
ではどう対策を考えるべきか?
あくまで私の私見で二つ申し上げます。
1・夏休みの延長
夏休みが短縮傾向にある現状から逆行、さらにはお子さんに早く学校に行ってほしい親御さんや、家庭でのエアコン代が気になる方からは猛反発を受けそうですが、一番大切なのは命です。
2・予算という概念
最近では特に大雨や地震などの際に避難場所として活用されることの多い小中学校です。避難場所での生活も長期間に渡ることも多く、そこにエアコンが無いというのはどうでしょう?
通常で考えるならば、教育関連の予算ということになるエアコン費用ですが、予算配分の関係で通らないのであれば災害対策費用として申請するなどの工夫も必要となるでしょう。
今回は全国公立小中学校のエアコン設置状況をお伝えしましたが、なにより大切な事は、子供たちがより良い、当たり前の環境で、地域に関係なく生活・勉強できるように整備することに他なりません。
全国公立小中学校のエアコン設置率100%を目指して頑張っていきましょう。
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